① — 経営者が最も見るべき数値

規模を問わず、経営者が押さえるべき指標

資金繰り・安全性・収益性の観点から、業種を問わず経営者が最優先で見るべき数値TOP5。

01 — 現預金月商倍率

一般的な基準値

安全ライン2〜3ヶ月分、最低ライン1ヶ月、危険ライン0.5ヶ月以下

創業期・個人事業主規模の基準値

日本政策金融公庫の創業融資は運転資金を月商3〜6ヶ月分まで想定、事業が軌道に乗った後も月商3ヶ月分が目安

出典

「現預金月商倍率」とは?(行政書士西澤事務所) / 運転資金は何ケ月分あればいい?(エフアンドエム)

02 — 資金繰り予測(向こう数ヶ月の見通し)

一般的な基準値

数値基準というより「実施の有無・精度」が論点。中小企業景況調査等で業種別動向を把握するのが一般的

創業期・個人事業主規模の基準値

立ち上げ期ほど資金ショートリスクが高く、必須度が上がる(定性的な位置づけ)

出典

中小企業の資金繰り(中小企業庁)

03 — 当座比率

一般的な基準値

サービス業平均218.4%、専門サービス業平均246.1%(黒字企業に限るとさらに高い)

創業期・個人事業主規模の基準値

特に定めなし。上記サービス業平均を参考ラインとする

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

04 — 売上高(月次推移)

一般的な基準値

絶対額は事業規模により異なるため一律の基準値はなし。月次のトレンド管理そのものが本質

創業期・個人事業主規模の基準値

特になし(既存のTKP月次損益計画で継続管理中)

出典

中小企業庁「中小企業経営指標」ほか一般的な経営管理の考え方

05 — 営業利益・経常利益(損益分岐点比率)

一般的な基準値

サービス業平均の損益分岐点比率106.4%(売上高が損益分岐点をわずかに超えている状態が平均的)

創業期・個人事業主規模の基準値

特になし。100%に近いほど収支トントンで危険度が高い

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

②-1 — 業界特性(人材紹介業)

人材紹介業の指標TOP5

手数料・成約・人件費構造に関する業界特有の指標。

01 — 手数料率(届出制)

一般的な基準値

理論年収の30〜35%が相場。職業安定法上、年収50%を超える設定は届出不受理。上限制を選ぶ場合は賃金の11.0%が上限(実務でこちらを使う会社はごく少数)

出典

職業紹介サービスの最適な手数料はいくら?(tameni) / 職業紹介業の紹介手数料(財務パートナーズ)

02 — 常用就職1件あたりの平均手数料

一般的な基準値

業界全体平均で約103万円(令和6年度、対前年度比10.9%増)。厚生労働省の一次統計で確認済み

出典

令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)(厚生労働省)

03 — 面談率参考情報

一般的な基準値

業界平均18%(一次統計は見つからず、業界メディアの実務記事が出典)

出典

人材紹介業のKPI管理(youthplanet)

04 — 人件費対売上高比率

一般的な基準値

「民営職業紹介業」平均39.0%。人件費対粗付加価値額比率は108.5%で、業界平均は付加価値以上に人件費を使っている会社が多い

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

05 — 決定率・早期離職による返金対象率参考情報

一般的な基準値

業界一般論としてよく語られる指標だが、統計的な一次データは見つからず。自社の単価×決定数×継続で逆算するアプローチが実務では一般的

出典

人材紹介会社の売上・利益率・年収の実態(人材HUB)

②-2 — 業界特性(不動産仲介業)

不動産仲介業の指標TOP5

仲介手数料・成約率・リードタイムに関する業界特有の指標。

「不動産仲介業」そのものにぴったり一致する公的統計(JFC調査等)が見つからなかった。①〜④はWeb上の実務記事、⑤は隣接業種「不動産鑑定業」のJFC統計を参考情報として掲載している。
01 — 仲介手数料(法定上限)

一般的な基準値

400万円超の物件は「成約価格×3%+6万円+消費税」(宅建業法46条)。2024年7月改正で800万円以下は上限30万円+消費税

出典

宅地建物取引業法の仲介手数料【3%+6万円上限】(room-match)

02 — 成約率参考情報

一般的な基準値

賃貸20〜30%、売買10〜20%(内見数に対する成約数)

出典

不動産仲介「KPIダッシュボード」完全設計ガイド(smatchu)

03 — リードタイム(問い合わせ〜成約)参考情報

一般的な基準値

賃貸7〜21日、売買60〜120日

出典

不動産仲介「KPIダッシュボード」完全設計ガイド(smatchu)

04 — 担当者1人あたり月次成約件数参考情報

一般的な基準値

売買仲介担当者の中央値は1〜2件/月、上位20%は3〜5件/月

出典

不動産営業のKPIで本当に追うべき5つの指標(smatchu)

05 — 人件費対売上高比率(隣接業種の参考値)参考情報

一般的な基準値

「不動産鑑定業」(仲介業そのものではない隣接業種)のJFC統計で52.5%、当座比率248.1%

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

②-3 — 業界特性(制作業)

制作業の指標TOP5

原価率・人件費構造・稼働管理に関する業界特有の指標(広告制作業のJFC統計をベースに)。

01 — 人件費対売上高比率

一般的な基準値

「広告制作業」平均35.5%

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

02 — 粗利率(粗付加価値額対売上高比率)

一般的な基準値

「広告制作業」平均35.7%。ただしWeb制作専業は原価率10%(粗利率90%)という業態差の情報もあり、代理店的な制作業と自社完結型の制作業とで水準が大きく異なる点に注意

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫) / Web制作の売上原価についての考え方(note)

03 — 稼働率・案件別工数管理参考情報

一般的な基準値

具体的な統計値は見つからず。人的リソースの投入量が案件ごとに異なるため、工数・原価・粗利の管理が曖昧になりやすいという課題感が業界共通で語られている

出典

広告制作会社の工数・原価・粗利管理(プロカンコラム)

04 — 外注比率参考情報

一般的な基準値

業界共通の統計値は見つからず。TKPは現行の労働分配率設計(外注費込みの広義人件費/売上高)と重なる部分があるため、既存指標との整合を要確認

出典

一次統計なし(TKP内部の既存指標設計との突合が必要)

05 — 損益分岐点比率

一般的な基準値

「広告制作業」平均110.0%

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

②-4 — 業界特性(研修業)

研修業の指標TOP5

講師外注・単価構造に関する業界特有の指標。

「研修業」全体の公的統計(経済産業省の特定サービス産業実態調査等)は、企業研修に特化した区分が見当たらなかった。①〜③は業界大手インソース社1社の決算実例、④⑤は一般的な指標定義を参考情報として掲載している。
01 — 外注(講師)比率参考情報

一般的な基準値

業界大手インソース社の実例で約20%。講師は社員ではなく業務委託契約が主流

出典

インソース~高成長×高収益の新興研修企業~(note)

02 — 1回あたり売上・受講者数参考情報

一般的な基準値

同社実例で1回あたり売上22.5万円・受講者数25人

出典

インソース~高成長×高収益の新興研修企業~(note)

03 — 1社あたり売上参考情報

一般的な基準値

同社実例で1社あたり売上18万円・受講者数20人

出典

インソース~高成長×高収益の新興研修企業~(note)

04 — LTV(顧客生涯価値)参考情報

一般的な基準値

一般的な算出式は「LTV=平均購買単価×購買頻度×継続期間−顧客獲得コスト」。研修業界固有の水準値は見つからず

出典

LTV(顧客生涯価値)完全ガイド

05 — 研修効果測定(短期・中期・長期)参考情報

一般的な基準値

数値基準ではなく設計フレーム。短期=理解度・参加態度、中期=行動変容、長期=売上・生産性・定着率への寄与、という時間軸で追う考え方

出典

研修の効果測定で成果を見える化(LEARNING SHIP)

③ — 財務戦略支援上モニターすべき数値

古谷野が支援者として見る指標TOP5

既存の労働分配率等の確定指標とは別に、CFO・財務顧問視点でゼロから洗い出した指標。

01 — 損益分岐点売上高・限界利益率

一般的な基準値

CVP分析の基本指標。数値そのものより「毎月どれだけ売れば収支トントンか」を可視化する設計思想が本質

出典

経営者なら絶対に覚えておかなければならない損益分岐点分析(ノーティカル)

02 — キャッシュランウェイ参考情報

一般的な基準値

「手元資金÷月間バーンレート」。一般的なスタートアップではシード期12〜18ヶ月が健全ラインとされる。※これは資金調達前提のベンチマークで、TKPのような自己資金型の個人事業にそのまま当てはめてよいかは要相談

出典

「バーンレート」と「ランウェイ」(Signifiant Style)

03 — 資金繰りの予実差異(計画と実績の乖離率)

一般的な基準値

数値基準というより仕組みそのものが論点。TKPの月次損益計画には既に「計画反映ゾーン」があり、2026年8月の運用実績を見てから予実差異の計算行を追加する方針で合意済み

出典

一般的なFP&A手法(TKP内部の既存設計との連続性を重視)

04 — 予算執行率

一般的な基準値

CFOが財務指標として重視する代表的な管理指標のひとつ。「キャッシュフロー改善」「予算執行率」「利益率改善」をセットで見る設計が一般的

出典

CFOが最初に見る"財務3指標"とは?(note)

05 — 自己資本比率

一般的な基準値

サービス業平均は-19.2%(赤字企業を含む全企業平均のため参考程度)。黒字かつ自己資本プラス企業に限ると平均31.7%

出典

小企業の経営指標調査(日本政策金融公庫)

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